喘息(ぜんそく)の正しい知識と治療についての総合サイト

監修:国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授/山王病院アレルギー内科 足立 満 先生

NEWS チェンジ喘息ニュース

天候が不順で喘息が起きやすい梅雨
カビを繁殖させないよう注意しましょう続きを見る

春から夏へ移り変わるなかで、雨が多くなり日照も少なくなる梅雨の季節1)。気温の変動が大きい季節の変わり目や梅雨のあいだには、喘息発作が多くなる傾向があります2)。また、湿度が高くなると、空中に浮遊するカビや、カビをエサとするダニも増え、その両方が喘息を引き起こす原因となります3)。とくに気密性が高い住宅は、浴室やカーペット、畳など室内にカビが増殖しやすくなり、カビを付着させたダニが動きまわることで、さらにカビが室内に広がります3, 4)。カビの対策としてこまめに換気や除湿を行いましょう。畳やカーペットなどをアルコールで拭くことも有効です4)。湿気とカビの対策だけでなく、喘息治療も欠かさずに、梅雨を乗り切りましょう。

  1. 1)気象庁:http://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/baiu/index.html
  2. 2)金廣有彦:アレルギー64(8):1117,2015
  3. 3)鎌田洋一:アレルギー・免疫24(1):48, 2017
  4. 4)濱田信夫:生活衛生50(5):343, 2006
夏到来。冷房による冷え防止と
エアコンのカビ対策で万全に続きを見る

真夏は気候の変動がある春や秋に比べ比較的喘息発作が少ない時期といわれていますが、冷房によって体が冷えすぎることがないよう注意が必要です。また、高温多湿な気候になると、ダニやカビが増殖し、喘息を悪化させます1)。エアコンの除湿機能は室内のカビ防止に役立つと考えられますが、エアコンの内部は結露のため湿りやすくカビが発生しやすくなります。エアコンをつけることでかえって室内にカビをまき散らすことのないよう、エアコンのフィルターなどはこまめに掃除しましょう。また、エアコンから放出されるカビはスイッチを入れた直後に一番多くなります。運転開始後5〜10分間は窓を開けるのも有効です2)。体調が良くても油断は禁物。近年エアコンを付けないで夏を乗り切るのは困難です。エアコン必須な夏の季節も喘息治療を継続していきましょう。

  1. 1)金廣有彦:アレルギー64(8):1117, 2015
  2. 2)濱田信夫ら:生活衛生45(2):51, 2001
ダニの増殖がビークを迎える真夏
寝具のダニ対策でガードしよう続きを見る

ダニは、喘息の気道炎症を引き起こすアレルゲンの代表です1, 2)。ダニが繁殖しやすい条件は気温20〜30℃、特に真夏の25〜28℃で、寝具や畳、カーペットなどによく繁殖しやすいと言われています3)。ダニ対策としては、窓を開けて室内に風を通す、天日干しや乾燥機で加熱乾燥させる、掃除機で吸い込む、洗濯する、などが有効ですが、いずれもこまめに行うことが大切です3)。なかでも、睡眠時に長く触れる寝具のダニ対策は重要です。一週間に一回はシーツやカバーを洗濯しましょう1, 3, 4)。ダニが通過できない高密度の繊維を使用した防ダニ素材の布団カバーなども、ダニの予防に有効とされています1, 3, 4)。アレルゲンの除去など環境整備をきちんと行うことで軽い治療で済むようになる場合があります4)。毎日の喘息治療と共に室内の環境整備を進めていきましょう。

  1. 1)喘息予防・管理ガイドライン2015
  2. 2)河本正次ら:アレルギー・免疫24(1):28, 2017
  3. 3)山崎義一:日本衣服学会誌 55(2):33, 2012
  4. 4)厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/jouhou01.html

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気候の変動が大きな9月
気象予報のチェックはこまめに 続きを見る

蒸し暑い夏が終わる頃、北から南下してきた寒冷前線が寒気をもたらし、太平洋高気圧との間では秋雨前線が発達します1,2)。この季節には台風が接近することもあり、気温や気圧、湿度の変化が大きく、突風や竜巻などが生じることもあります。このような気象の変化や、曇り空、台風などは、喘息症状の悪化につながることが知られています3)。喘息症状が不安定な場合には、気象予報でその日の天気を確認し、天候が荒れる日には外出を控えるのもよいでしょう4)。近年特に残暑が厳しく、冷房を利用することが多い季節なので、服装調節や室内の温度や湿度にも注意しながら、日々の喘息治療を続けることが大切です3)

  1. 1)気象協会:http://www.tenki.jp/dic/word
  2. 2)東京管区気象台:http://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/tokyo/kikou/kantokoshin/TenkouKaisetsuMain_Kanto-Koshin.html
  3. 3)宮本昭正 監修・編集:ナース・患者のための喘息マネージメント入門, 2017
  4. 4)喘息予防・管理ガイドライン2015
スポーツを楽しむのに絶好の10月
ただし、激しい運動には注意を続きを見る

空が澄み渡り、朝晩が涼しくなる秋晴れの季節には1)、スポーツを楽しむ人も多いことでしょう。サイクリングや軽いランニング、ダンスなどの有酸素運動には、こころと体をリラックスさせて睡眠リズムを整える作用があるといわれており、健康管理に役立ちます5)。ただし、激しい運動は、気管支の収縮や喘息の発作を引き起こすため注意が必要です3)。また、これらの運動による運動誘発性の気道収縮は、抗炎症治療が有効であるため、吸入を続けていきましょう。

  1. 1)気象協会:http://www.tenki.jp/dic/word
  2. 3)宮本昭正 監修・編集:ナース・患者のための喘息マネージメント入門, 2017
  3. 5)厚生労働省 こころもメンテしよう:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
冬の気配を感じ始める11月
流行シーズンに備えた感染症対策は万全ですか?続きを見る

気温や湿度が低くなってくると、いよいよ冬の到来を間近に感じる人も多いのではないでしょうか。11月の平均気温が低いと予想される年は「冬の訪れが早い」ともいわれています1)。空気が乾燥してくると、気道粘膜の防御機能が低下して、風邪の原因であるライノウイルスやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります6)。毎年12月~3月が流行シーズンのインフルエンザは、喘息を悪化させることが知られているため、加湿器を使った適切な湿度調節、十分な休養、栄養バランスのよい食事などを心がけて予防することが大切です4, 6)。家族や周囲の人にも協力していただき、外出後の手洗い等を徹底してもらうようにしましょう。喘息を悪化させないために、インフルエンザワクチンを12月中頃までには接種し3, 4, 6)、毎日の喘息治療を続けていくことが重要です。

  1. 1)気象協会:http://www.tenki.jp/dic/word
  2. 3)宮本昭正 監修・編集:ナース・患者のための喘息マネージメント入門, 2017
  3. 4)喘息予防・管理ガイドライン2015
  4. 6)厚生労働省 インフルエンザQ&A:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
冬将軍到来の12月
年末の夜の寒さには用心を続きを見る

本格的に寒さがきびしくなる12月。全国的に冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込むようになります1)。忘年会やクリスマスなど、冷え込む夜の外出が多くなり、お酒を飲む席も増えます。気道が過敏な人が、暖かい室内から冷たい外気を吸うと、それが刺激となって気道が閉塞し、喘息の発作が起こりやすいといわれています2)。外出するときはマスクをして冷たい空気を吸い込まないよう気をつけましょう3)。また、流行期のインフルエンザワクチンの接種は、喘息症状の悪化予防に効果があるといわれています4)。早めの接種を心掛けましょう。また、年末の宴会でついつい増えがちな飲酒や周囲のタバコの煙も喘息が悪化する原因になることがあり、注意が必要です。年末は仕事も忙しくなりますが、疲れやストレスをためないようにすると共に4)、毎日の喘息治療をしっかりと忘れずに続けていきましょう。

  1. 1)気象庁:http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/stat/tenko1612.pdf
  2. 2)橋本修ほか:日本内科学会雑誌102(6):1433, 2013
  3. 3)灰田美知子ほか:日本内科学会雑誌98(12):3041, 2009
  4. 4)喘息予防・管理ガイドライン2015
インフルエンザが大流行する1月
今年の予防対策は万全ですか?続きを見る

1月ごろからピークになる、インフルエンザウイルスの流行5)。インフルエンザや風邪のウイルスが気道に感染すると喘息症状を悪化させるのに加え、喘息のない人よりも重症化するリスクがあります6, 7)。日常生活で風邪やインフルエンザから身を守る為には、室内では適度な湿度を保つ、人ごみを避ける、外出から帰宅後はうがいと手洗いを励行するなどの予防対策を行いましょう3, 7)。十分な睡眠やバランスのよい食事を心がけ、免疫力を高めておくことも大切です7)。毎日の喘息治療で気道を健康な状態に保っておきましょう。

  1. 3)灰田美知子ほか:日本内科学会雑誌98(12):3041, 2009
  2. 5)厚生労働省 今年のインフルエンザについて(2016/17シーズン):http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/influenza/dl/2016_17season.pdf
  3. 6)石原享介:アレルギー59(11):1546, 2010
  4. 7)政府広報 インフルエンザの感染を防ぐポイント:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html
春一番が吹いても、まだ寒さがきびしい2月
気温差や運動に注意しましょう続きを見る

春到来の兆しもありますが、まだまだ冷え込む日も多い2月。北からの寒気と南からの風の影響を交互に受け、気温の変動が大きくなる時期です8)。気温が5時間以内に大きく変化したり、前日と比較して平均気温が3℃以上低くなると喘息発作が起こりやすいといわれています3, 4)。気温に合わせて服装をこまめに調節して気温差の影響が出ないように工夫しましょう。また、運動などで、冷たく乾燥した空気を吸い込むと気道が収縮し、喘息発作が起こることがあります4)。冬場の運動前には十分なウォーミングアップが大切です9)。外出の際には、マスクをつけて気道の湿度や温度を保つようにしましょう。室内の乾燥にも加湿器等で対応しましょう。毎日の喘息治療もしっかりと続けていきましょう。

  1. 3)灰田美知子ほか:日本内科学会雑誌98(12):3041, 2009
  2. 4)喘息予防・管理ガイドライン2015
  3. 8)気象庁:http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/longfcst/monthly/monthly_201702.html
  4. 9)環境再生保全機構 大気環境・ぜん息などの情報館:https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/child/09_07_02.html
花粉飛散の多い季節
早め早めの花粉対策で万全の備えを続きを見る

喘息患者さんの67%が鼻炎(アレルギー性の有無を問わない)を合併していることが報告されています1)。また、アレルギー性鼻炎の約7〜8割は花粉症であり2)、花粉の時期には喘息症状も悪化することがあるので3, 4)、十分注意が必要です。今年の花粉は2月上旬ごろから飛散しはじめ、広い範囲で昨年の1.5倍以上の飛散量になると予想されています5)。とくにスギ花粉は飛散開始宣言前から飛び始めますので、飛散開始宣言前から花粉対策を始めるとよいでしょう。花粉症の薬は早めに使用し、飛散が多いときは窓を閉め、外出時はマスクやメガネの着用が有効です。帰宅時には衣服や髪をはらって、うがいと洗顔をしましょう6)。もちろん、毎日の喘息治療も忘れずに。

  1. 1)Ohta K. et al.: allergy. 66: 1287-1295, 2011
  2. 2)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会: 鼻アレルギー診療ガイドライン
    ―通年性鼻炎と花粉症― 2016年版(改訂第8版)
  3. 3)一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会
    監修: 喘息予防・管理ガイドライン2015
  4. 4)Prieto L. et al.: Thorax. 49: 711-713, 1994
  5. 5)日本気象協会:https://www.jwa.or.jp/news/2017/12/post-000956.html
  6. 6)平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業、
    公益財団法人日本アレルギー協会事業:的確な花粉症の治療のために(第2版)
    http://www.jaanet.org/pdf_files/allergy_nose03.pdf
黄砂やPM2.5の飛散が怖い4月
お出かけ前は予報サイトをチェックしましょう続きを見る

4月になるとスギに代わってヒノキの花粉が増えてきます1)。また、2月下旬~5月上旬には中国から偏西風にのって黄砂が日本に飛来します2)。黄砂の粒子にはPM2.5などの大気汚染物質や細菌・真菌などの微生物が吸着しており2, 3)、なかでもPM2.5は枝分かれした気道にまで到達する大きさであり、喘息を悪化させる可能性があります。したがって、黄砂の飛来に伴ってPM2.5濃度が上昇する日には、喘息患者さんにとって注意が必要です。気象庁のサイトなどで予報を確認し、濃度の高い日には外出を避け、やむを得ない場合はマスクをして外出、帰宅後は手洗いやうがいを徹底する、などを心がけましょう。そして、症状が出にくい状態にするためにも、毎日の喘息治療を続けていきましょう。

  1. 1)鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会: 鼻アレルギー診療ガイドライン
    ―通年性鼻炎と花粉症― 2016年版(改訂第8版)
  2. 2)金廣有彦:アレルギー64(8):1117, 2015
  3. 3)一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会
    監修: 喘息予防・管理ガイドライン2015
心身に疲れが出やすい5月
ストレスをため込まないようセルフケアを続きを見る

4月から周りの環境が変わり、新しい職場など慣れない環境や複雑な人間関係によって心身の疲れが出てくる人も多い時期ですね。ストレスは喘息に影響を与える可能性があるという報告があります1, 2)。休養をとり、­ひとりで悩まず誰かに相談したり、お風呂にゆったりつかったり、音楽を聴いたりと、自身で上手に発散できるとよいでしょう。軽いランニングやサイクリングなど適度な有酸素運動もストレス解消にはよいかもしれません。日々の忙しさや気分の落ち込みから、大切な喘息の治療も忘れがち。ストレスの解消と共に毎日の喘息治療も続けていきましょう。

  1. 1)一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会
    監修: 喘息予防・管理ガイドライン2015
  2. 2)Loerbroks A. et al.: Allergy. 64: 1444-1450, 2009

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