壊れた肺胞は元に戻りません。
早期発見が大事です
厚生労働省の統計によると、2020年のCOPDによる死亡者数は16,125人と報告されています[1]。
COPDは長期にわたる喫煙歴を経て発症する病気であり、肺の生活習慣病とも呼ばれています。
喫煙によりいったん破壊されてしまった気道や肺胞などの組織を、喫煙前の元の状態に戻すことはできません。
早期発見・早期治療開始により病気の進行を防ぐことが何よりも大切です。
[1]厚生労働省 人口動態統計
気づかないうちに進行する病気です(約500万人が気づいていない・診断されていない)
大規模調査の結果、40歳以上の日本人でCOPDにかかっている割合は8.6%、その数は530万人と推定されています[2]。一方、2017年の厚生労働省患者調査によると、病院でCOPDと診断された患者さんの数は22万人です。つまり、COPDであるのに受診していない人は500万人以上いると考えられ、その多くの人々が、COPDであることに気づいていないか、診断されていないことになります。
[2] Fukuchi Y. et al.: Respirology. 9:458-65, 2004
急激に悪化することがあります
COPDになると、気道や肺胞などの組織が破壊されてしまったり、痰により気道が狭くなり、肺炎などの呼吸器感染症を起こしやすい状態になっています。感染が生じると気道や肺組織の破壊がさらに進み、急激に悪化してしまうことがあります。
病気が進行して重症になると、携帯用酸素ボンベなどを用いて、酸素補充を必要とする場合や、死に至る場合もあります。少しでも早い段階で病気に気づき、適切な治療を開始することで、今ある症状や将来悪化するリスクを低減できる可能性があります。
40歳代から徐々に増え60歳代以上に多くみられます
日本人のCOPD有病率は40歳代から徐々に増加し、60歳代以降に高くなっています。
また、喫煙者と喫煙経験のある人は非喫煙者よりも有病率が高く、過去に喫煙をしていた方であっても、現在喫煙をしている方と同程度の割合でCOPDを有していたことが報告されています[3] 。
[3] Fukuchi Y. et al.: Respirology. 9:458-65, 2004
COPDは心身が衰えた状態(フレイル)をもたらすことがあります
COPDが進行すると、息切れによって身体の活動性(運動量・活動量)が低下したり食事量が減り、栄養障害や筋肉量・筋力の低下、骨粗鬆症などの心身が衰えた状態(フレイル)をもたらすことがあります。また、肺と気道の炎症の影響が全身におよび、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害などを引き起こすことがあります。このように、COPDの進行を放置するとさまざまな合併症をもたらす可能性があります。
早期発見で治療費が抑えられる可能性があります
COPDが進行すると、治療のための医療費は高額になっていきます。また、重症化すると、仕事や日常生活への影響も大きくなり、介護などが必要となれば、さらに多くの費用がかかることも考えられます。
症状による日常生活への影響が小さいうちにCOPDの治療を開始・継続することで、重症化を防ぎ、将来の医療負担を増大させないことにつながる可能性があります。
階段を上がるときの息切れや、長引く咳や痰はありませんか?
これらは加齢や風邪によるものとして
見過ごされがちな症状ですが、
それは「COPD」という肺の生活習慣病かもしれません。
(一般社団法人 日本呼吸器学会. COPD診断と治療のためのガイドライン2022 [第6版]. 2022年、メディカルレビュー社、東京. )
COPDは主にタバコの煙などを長期に吸入することで、肺胞(肺のなかで気管支につながる袋)が破壊され、呼吸がしにくくなる病気です。
喫煙者と喫煙経験のある人や、受動喫煙の場合もCOPDの可能性があります。
COPDが進行して重症化すると、少し動くだけで息が苦しくなり、周りの人の手を借りたり、酸素ボンベを持ち歩く生活になることもあります。
少しでも気になる症状がある⽅は
医師へご相談ください。
COPDの進行を今くいとめるために。
気になる症状がある⽅は、
早めに医師へご相談ください。
COPDの治療目標は、息切れ、咳、痰などの症状を改善し、生活の質を改善することと、
COPDの進行と急激な増悪を予防することです[1] 。
禁煙が最も基本的な治療ですが、薬剤を用いた治療が、治療目標を達成するために
中心的な役割を担います。
また、治療では禁煙のためのさまざまなサポートを受けることも可能です。
[1]一般社団法人 日本呼吸器学会. COPD診断と治療のためのガイドライン2022 [第6版]. 2022年、メディカルレビュー社、東京.
*健康上の問題で日常生活が
制限されることなく生活できる期間
全国12か所のTV放送局でCOPDを紹介する番組が放映されました!
喫煙者や、受動喫煙の機会が多い方で、COPDを疑う症状があるかもと感じたら、
かかりつけ医や病院を受診することを
お勧めします。
早期発見で病気の進行を防ぐことが
何よりも大切です。
少しでも気になる症状がある⽅は
医師へご相談ください。